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マンスリーインフォメーション 《第75回》


新宿支店長

 今月のM.I.は、私が証券マンの基礎を作った新宿支店長との事について書いてみたいと思います。私が新宿支店に赴任したのは、入社2年目の夏でした。前にもお話したように30歳の新卒条件で兜町の地場証券に入社しました。新宿支店があったのは、89年から93年まででした。バブル崩壊を受けて、新宿支店が閉鎖になった時、新宿支店長は「島村は一番褒めた」と私に言いましたが、「怒鳴られるのも一番」でした。支店長に皆の前で怒鳴られて、帰り道自分の母校に行って校庭で涙を流した事もあります。ただ、私にとって良かったのは、証券マンとしての、基本を徹底的に教えて頂いた事です。今はソフトな時代で、あまり厳しい事を部下に言う上司も少なくなっていますが、新宿支店長は証券マンのお金を扱うビジネスの厳しさ、株式売買の徹底さなど、怒られながら骨の髄まで鍛えてもらいました。

 新宿支店に赴任して初めての春の日でした。当時、証券会社の営業は現物沈潜と言って会社や自分の指定した銘柄を現物株で貯めこむ事をしていました。支店で、サンゲツ(8130)と言う銘柄を現物沈潜する事になりました。当時サンゲツは4000円前後の株価で、ほとんど預かりゼロからスタートしたので、商いはやっと100万円単位でしかできませんでした。支店長の指示を聞いて、これはもう無理だと思いましたが、既存のお客様、見込みのお客様全部回りましたが、ダメでした。最終日になって、支店長が私の事を強い口調で怒鳴りました。その時は、こんな無理な指示出しやがって と思って、「できないから営業を外してください」と言い返しましたら、少し経って支店長室に呼ばれ、支店長が自分のお客様の取引明細を私に見せて、「私もこれだけ無理してお客様に買ってもらっている」と私に言いました。そして「今、君を営業から外すと君の今までの努力が無駄になる」と言いました。更に「言い返す元気があるなら、お客様の処に駈け出して行くんだがな」とも言いました。私はそこまで仕事に対して真剣に考えていなかったので、支店長に怒鳴られて、すぐにお客様の処に行かなかった自分を恥じました。この話は続きがあって、その事件の一か月後、支店長の力添えで、上場企業が口座を創って頂きました。その時、支店長は私に「営業、辞めるか?」と聞き返しました。ニタッと笑って「営業続けます」と私は言いました。

 また、ある時当時ワラントと言う証券が流行っていて、ワラントを売りに出して、株式を買う時、何をミスったかワラントが売れないうちに、株式を買ってしまいました。売れないと、入金ミスになるので、すぐに支店長に報告しましたら、滅茶苦茶怒られ、「株の売買は君の思惑なんか簡単に通じないんだから、気を付けろ」と言われました。結局ワラントは後場2時半頃売れたので、入金ミスはなくなりましたが、支店長が外交から帰った後も、注意されました。支店長の行った事は本当でした。株式の売買は自分の思惑など通じない一種特別な徹底さと慎重さがないと、売買注文でミスを起こす事を身を持って経験しました。その時の経験のおかげで、その後注文ミスはほとんどしなくなりました。株の売買と言うものは、不思議と自分の思惑の逆逆へと行きます。お金を扱う商売なので、お客様に対しては誠実さと、売買に当たっては、冷静さが必要となります。私は駆け出しの頃、口うるさいほど注意して下さり、支店長が鍛えてくれたことを非常に感謝しています。「下がった時に電話すれば良い。上がった時は皆気にしている」とも教えてくれました。何かに徹底して道を極めた人は、普通の人の発想の逆を行います。その言動は普段からの努力、生き様によって形成されるのだなと思いました。