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マンスリーインフォメーション 《第98回》


企業の業績と将来性

 今月のM.I.は私が証券業に携わって来て、大きく業績が変化した企業について、まとめてみたいと思います。企業の寿命は50年と言われますが、日本企業の中には100年以上繁栄を継続している企業もあれば、一時は国際的になった後、時代の流れについていけず凋落した企業もあれば、上場して経営者が、別の道に進み、それと共に落ちていった企業もあります。私が特にその栄枯盛衰を注目させられた企業について、お話ししていきたいと思います。

 まずは「シャープ(6753)」です。シャープは創業1935年上場1949年の老舗電機メーカーです。バブル当時から、ワープロなどヒット商品を作り、業績好調でした。バブル崩壊後も、ザウルスなどIT分野の走りとなる商品を次々にヒットさせ、商品企画力では非常に力がありました。この頃から、液晶に注力し始め、液晶TVを次世代の主力商品として研究開発費を多く掛けて、生産し始めました。少し後になって、政府が地デジ化を政策としてスタートさせたため、シャープの液晶TVは時代の波に乗るかに思えました。亀山工場で生産された液晶TVは、「亀山モデル」として高級液晶TVとして販売されていました。しかし時代の流れはシャープの方針と逆に流れ出しました。高級品として販売されていた液晶TVが、コモディティ、廉価品として値段が崩れ出しました。おりしも世の中は家電量販店がどんどん新店を出店させ、安さを売りモノに、消費者を引き付けるようになってきました。その家電量販店で安い液晶TVが目玉商品となるようになり、シャープの「亀山モデル」も神通力を失いました。家電量販店の店頭で液晶TVが安い価格で売られるとともに、シャープの亀山工場など、最先端の設備は重荷となり始めました。企業業績も落ち始め、完全にシャープの企業方針は間違っていたと言う現実になりました。いくら良い商品を作っても、時代の流れが違うとその良い商品の価値がなくなる事が、シャープの事例で良くわかります。時代の流れを捉える事は、半ばその企業の運です。人間の英知の及ぶところではありません。すべてビジネスの神様が決める事です。人間はその舞台で精一杯努力するしか運命はありません。シャープは良く企業努力をしたと思います。武運つたなく結果が逆に行ってしまっただけだと思います。しかしビジネスの世界は結果がすべてです。シャープの今後の企業努力に期待します。

 次にワタミ(7522)です。ワタミは1986年、今の国会議員渡邊美樹氏が創業した居酒屋チェーンで、創業当時は、膝をついておしぼりを渡すなど、創業者の渡邊氏の工夫がサービスに反映され、急成長し96年に上場しました。オーナー企業の持ち味である、創業者の強いリーダーシップで全国に店を展開させ、日の出の勢いでした。ワタミの企業規模が大きくなるにつれて、社員の労働時間の長さなど、悪いニュースが世の中に伝わるようになりました。その頃から、創業者の目が、学校運営など本業以外の事業に向かい始め、本業の居酒屋チェーンは業績が悪くなっていきました。時を同時として、居酒屋チェーンの新しい企業が多く世の中に出始め、ワタミの業績は坂を転がるように悪くなっていきました。ワタミの凋落の決定的な事件は、創業者が政界に転身した事です。選挙には当選しましたが、ワタミは業績悪化となり、非常に厳しい営業展開となっています。企業オーナーは、会社が大きくなると、つい誰かに任せて自分は別の世界に行こうと欲が出てきます。創業者の強力なリーダーシップでここまで大きくした会社の経営がおろそかになると、組織崩壊の前兆となります。渡邊氏は私の同窓で、できれば政治家を辞めて、ワタミを立て直してほしいと強く思います。渡邊氏の成功物語を書いた「青年社長」を渡邊氏はもう一度読み返して、原点に戻ってほしいと願う次第です。

 企業経営も株式投資と同じ、最後は運で決まります。慢心、安心などが出て来ると、すぐに栄光の座から引きずり降ろされます。ただ最後の結果はビジネスの神様、相場の神様のさじ加減で決まります。人間は日々努力をして謙虚にその判断に従うだけです。